SEOコンサルタントが解説!SEO対策を最適化するAIの活用方法10選
当社では日々、SEO対策の関する様々な業務に取り組んでいますが、最近ではAIの進化がその業務を劇的に変えていることを実感しています。AIを活用することで、効率化だけではなくSEO対策の質も向上させることが可能になります。
今回は、AIを活用してSEO対策を最適化するための10個のアイデアを、実際のケースを交えながらご紹介します。
- 1. 1. ペルソナ設定のアシスト
- 1.1.1. ペルソナ設定の前の基本設定
- 1.1.2. ペルソナ設定のためのプロンプト例
- 2. 2. キーワードリサーチの効率化
- 2.1.1.1. キーワードリサーチの効率化の具体例
- 3. 3. SEOコンテンツのアイデアだし
- 3.1.1. SEOコンテンツアイデアだしのためのプロンプト例
- 4. 4. 記事ライティングのアシスト
- 4.1.1. 記事ライティングのためのプロンプト例
- 5. 5. オリジナル画像の生成
- 5.1.1. Adobe Fireflyで画像を生成した事例
- 6. 6. タイトルタグとメタタグの最適化
- 7. 7. SNS活用の効率化
- 8. 8. 被リンクリストの作成
- 9. 9. 音声検索への最適化
- 10. 10. SEOに関する情報収集
- 11. まとめ
1. ペルソナ設定のアシスト
SEO対策の第一歩は、ターゲットユーザーを理解することです。SEO対策に限らず、マーケティング業務に従事した方であれば一度はペルソナ設定に取り組んだことがあるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
これまで、ペルソナを設定するには手間と時間がかかっていました。しかし、AIを使えば、ユーザーの検索データや行動履歴を分析し、詳細なペルソナを短時間で作成できます。
ここでは、実際に「コーチングの資格取得」という商材を例にChatGPT-4.0を活用してペルソナ設定を行ってみたいと思います。
ペルソナ設定の前の基本設定
まずは自社のサービスや商品をもとに、大まかなターゲット像を決めます。この作業はご自身や社内メンバーなどでしっかりと考えるようにしてください。
と言っても、以下のようなザックリとした設定を決めるだけで十分です。
基本設定
30代の女性で、育児がひと段落ついたから空いた時間でリスキリングに取り組みたいと考えている。1か月に使える予算は1万円までで、パソコンの基本的な操作が可能。
ターゲットの大まかな設定ができたら、生成AIにより詳しいペルソナを考えてもらいたいと思います。この記事では、有料版のChatGPT-4を使って作業を進めます。
ペルソナ設定のためのプロンプト例
以下のような設定の顧客層について、職業、趣味、ライフスタイル、直面している課題や問題点を具体的に教えてください。
設定:
30代の女性で、育児がひと段落ついたから空いた時間でリスキリングに取り組みたいと考えている。1か月に使える予算は1万円までで、パソコンの基本的な操作が可能。
この女性に売りたいものは「コーチングの資格取得講座」です。
上記のプロンプトを入力すると、以下のような回答を返してくれます。
顧客層の具体的な職業、趣味、ライフスタイル、直面している課題や問題点
1. 職業
この30代の女性は、専業主婦であるか、または育児が一段落した後にパートタイムの仕事をしている可能性があります。育児期間が長かったため、今後のキャリアの方向性について考える時間が増え、新しいスキルや資格を習得することでキャリアを再構築したいと考えています。フルタイムに戻る意欲はあるものの、無理なく家庭と両立できる働き方を求めているでしょう。
2. 趣味
彼女は、自分のスキルを向上させたり、新しいことに挑戦することに興味を持っています。育児中は自己投資やスキルアップに費やす時間が限られていたため、リスキリング(再学習)を通じて自分の成長を実感したいという欲求が強まっています。また、人間関係やコミュニケーションに関心があり、家族や友人との関係性を深めることや、新しい人との交流を楽しんでいるかもしれません。
3. ライフスタイル
育児が一段落したことで時間に余裕ができましたが、まだ家事や家庭の責任はあるため、フルタイムで働くには少し躊躇している段階です。そのため、自宅でできる学習や仕事を優先的に考えています。また、毎月の予算は限られており、無理なく続けられる学習プランが理想です。1日数時間でも効率的に学び、将来的に収入につながるスキルを習得したいと考えています。
4. 直面している課題や問題点
- 時間の制約:家事や家庭内の責任があるため、自由な時間はあるものの、まとまった時間を確保するのは難しい状況です。
- 予算の制約:1か月に使える予算は1万円までなので、高額な講座や一括払いの学習プランは避けたいと考えています。
- 学習に対する不安感:新しい分野に挑戦することに対して少し不安を感じている可能性があり、自分が学習についていけるか心配しているかもしれません。また、資格を取得した後にどうキャリアに生かすべきかという道筋がまだ不透明であることが課題です。
求める解決策と価値観
この女性が求めるのは、**「無理なく続けられる学習環境」と「将来的にキャリアに役立つ実践的なスキル」**です。以下のような解決策や価値観を重視しています。
- 効率的な学習:時間が限られているため、短時間で学べるモジュールや、好きな時間に学べるオンライン講座を好みます。
- 実践的なスキル:学んだことがすぐに家庭内や仕事に応用できる実践的な内容を求めています。特に、コーチングスキルを使って家族や友人とのコミュニケーションを改善したいと考えているかもしれません。
- 低コストでの学習:月額1万円以内の料金設定で、長期的に学べるプランや、最初の数レッスンが無料の試用プランを望んでいます。また、追加費用が発生しない明確な価格設定も重要です。
いかがですか?このレベルのペルソナを作成するのは、結構な時間がかかります。
ChatGPTはこの作業をたった数十秒で完了してくれるため、あとは内容をしっかりと読んで自分が目指す方向性に沿うようにチューニングをすればOKです。
ペルソナの基本設定は生成AIに委ねるべきではないと思っています。
いくら時短ができるからと言っても、自分のお客様と向き合う時間はビジネスにおいてとても大事な時間だという事を忘れないようにしたいですね!
2. キーワードリサーチの効率化
SEO対策に欠かせない重要な作業のひとつが「キーワードリサーチ」です。
従来のキーワードリサーチは、地道な手作業でキーワードを精査するする必要がありましたが、AIツールを使えば効率が飛躍的に向上します。例えば、検索ボリュームや競合状況を瞬時に解析できるため、より効果的なキーワード選定が可能です。これにより、ターゲット市場やニーズを的確に把握し、SEOの成功に近づくことが可能になります。
キーワードリサーチの効率化の具体例
例として、「コーチングの資格取得に繋げたい場合のキーワードリサーチ」を考えてみましょう。
あなたが「コーチング」をテーマにしたブログを書いているとします。どんなキーワードを使えば多くの人に見てもらえるかを考えるときに、AIツールを使ったキーワードリサーチが非常に役立ちます。
- AIツールでのキーワードリサーチ
従来は、手動で「コーチング」「資格取得」「評判」といったキーワードを1つずつ検索し、その検索ボリュームや競合を調べる必要がありました。しかし、AIツール(たとえば、AhrefsやSEMrush)を使えば、こうしたキーワードの検索ボリュームや競合の強さを自動で解析し、一瞬で結果が得られます。 - キーワードの提案
AIツールは、単に「コーチング,資格取得」だけでなく、それに関連するキーワードや、人気のある検索フレーズも提案してくれます。たとえば、「コーチング,資格取得,費用」や「コーチング,仕事」など、ユーザーが実際に検索している具体的なフレーズを知ることができます。 - 競合分析
さらにAIツールは、競合する同業他社がどんなキーワードを使っているかも解析してくれます。これにより、競合よりも強いキーワードや、まだ他のサイトで扱っていないニッチなキーワードを見つけることができます。
キーワードはオンラインだけではなく、日常生活にもあふれています。
雑誌やテレビCM、地元のフリーマガジン、お客様との何気ない会話やお問い合わせ履歴などからキーワードを見つけ出すという作業は生成AIにはできない事ですので、ご自身で取り組むようにしてくださいね!
3. SEOコンテンツのアイデアだし
AIは質の高いコンテンツを生成するツールとしても非常に有用です。たとえば、ブログ記事や商品説明文など、大量のコンテンツが必要な場合、生成AIを使用すれば時間を大幅に短縮できます。
ただし、コンテンツのアイデアだしをまるごと生成AIに委ねてしまうのではなく、自分のアイデアと生成AIからの提案とをバランス良く取り入れてコンテンツ案を考える事が重要です。
SEOコンテンツアイデアだしのためのプロンプト例
以下のような設定の顧客層が求める解決策や価値観を踏まえて、どのようなコンテンツやサービスが最適だと思いますか?
設定:
30代の女性で、育児がひと段落ついたから空いた時間でリスキリングに取り組みたいと考えている。1か月に使える予算は1万円までで、パソコンの基本的な操作が可能。
この女性に売りたいものは「コーチングの資格取得講座」です。
上記のプロンプトを入力すると、以下のような回答を返してくれます。
最適なSEOコンテンツの提案
この女性がリスキリングのために「コーチング資格取得講座」を探している場合、SEOコンテンツは彼女のニーズに合った内容で、彼女が検索しそうなキーワードに対応している必要があります。以下は、具体的なSEOコンテンツの提案です。
1. ブログ記事:コーチングとは?初心者が資格を取得するためのステップガイド
- キーワード例:コーチング 資格 初心者、コーチング 講座 43代、リスキリング コーチング
- 内容:コーチングがどのようなスキルで、どのように役立つか、特に30代の女性にとってどのようなメリットがあるのかを詳しく説明します。初心者でも始めやすく、家庭で活用できる具体例を盛り込んだ記事が効果的です。
2. FAQページ:コーチング資格取得に関するよくある質問
- キーワード例:コーチング 資格 難易度、コーチング資格 費用
- 内容:コーチング資格に関するよくある質問をまとめたFAQ形式のページを作成します。例えば、「コーチング資格の取得にはどれくらいの時間がかかるか?」や「月額1万円で学べるコースはあるか?」など、予算や時間に関する質問に具体的に答えるコンテンツを提供します。
3. 体験談ブログ:コーチング資格を取得した30代主婦の成功事例
- キーワード例:コーチング 資格 体験談、30代 リスキリング コーチング
- 内容:実際に資格を取得した30代女性の体験談を紹介します。リスキリングに挑戦することの不安や、家庭との両立がどう可能だったか、また学んだコーチングスキルをどう活用しているかといったストーリーを紹介することで、潜在顧客に共感を与え、受講を促します。
4. 価格に関するページ:月額1万円で学べる!コーチング資格取得講座の料金プラン
- キーワード例:コーチング 資格 料金、月額1万円 コーチング 講座
- 内容:コーチング資格取得講座の料金プランやコストに関するページを作成します。この顧客層は予算に敏感なので、月額1万円以内で受講できるプランを強調し、透明性のある料金体系を示すことで、安心感を提供します。
5. 動画コンテンツ:コーチングスキルを使って家庭内コミュニケーションを向上させる方法
- キーワード例:コーチング 家庭内 コミュニケーション、コーチング 家族向け
- 内容:短い動画で、コーチングスキルが家庭内でどのように活用できるかを具体的に示すチュートリアルを提供します。彼女が家族とのコミュニケーションを改善するために、すぐに実践できるスキルを紹介することで、コーチングに対する興味をさらに高めます。
タイトルとキーワード例、大まかな記事の内容まで提案してくれるので、非常に参考になりますね。
この提案をもとに、提示されたキーワードで実際に検索してみて、どのような記事が上位化しているのかを分析してみると、自分がどんな記事を書けば良いのかが見えてきます。
この結果だけに頼るのではなく、AIからの提案をもとにリサーチを深めて行く事も重要です。
4. 記事ライティングのアシスト
生成AIを利用すれば、SEOに最適化されたコンテンツの下書きを短時間で作成できます。AIが提供する下書きを元に、専門知識や人間の視点での修正を加えることで、質の高いコンテンツを作成することが可能です。時間を節約しつつ、検索エンジンに評価される記事作成が実現します。
記事ライティングのためのプロンプト例
### 指示###
ブログタイトルとブログ記事を書いてください。
ブログ記事はフォーマルなトーンで2000文字程度書いてください。条件:
・コラムタイトルには"リスキリング"と"コーチング資格"を入れてください。
・コラム記事の冒頭から90文字以内に"リスキリング"と"コーチング資格"を入れてください。文脈:
あなたは育児がひと段落ついた30代の主婦の花子です。
"花子"の視点から書いてください。例:30歳の専業主婦の花子です。私は…
テーマ:リスキリングで叶えるキャリアの再構築!コーチング資格の種類や難易度、資格取得後にどのぐらい稼げる資格なのかを詳しく解説
上記のようなプロンプトを入力すると、ササっと記事を生成してくれます。(非常に長いので、この記事での引用は省略します)
その記事を丸ごとコピペして、内容を精査しながらリライトして行きます。
リライトの際に重要なのは、「ユーザー視点に立っているか?」です。
自分が設定したペルソナのニーズと、AIが生成した記事の内容がマッチしているかを見極めながら、オリジナル記事へとリライトするようにしてください。
5. オリジナル画像の生成
AIを活用すれば、コンテンツに必要なオリジナル画像も生成できます。従来はデザインや素材集めに時間を費やしていましたが、AIツールを使えば、特定のテーマに沿ったオリジナル画像を迅速に作成可能です。これにより、視覚的な要素を強化し、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
日々、様々なツールがリリースされています。それらの中から自分のニーズを満たす最適なツールを見つける事で、作業効率が一気に向上するだけでなくブログのSEO効果を高める事も可能になります。
Adobe Fireflyで画像を生成した事例
Adobe Fireflyで「育児がひと段落ついたから空いた時間でリスキリングに取り組みたいと考えている30代の女性」を生成してみました。
育児がひと段落ついたから空いた時間でリスキリングに取り組みたいと考えている30代の女性
それらしい画像をサッと生成してくれました。
採用したい画像を選択して、そのまま文字や装飾アイコンなどを入れていく事ができるので、短時間でサッとオリジナル画像を生成する事ができます。
ちなみに、この記事でもいくつかの画像を生成AIで作っています。
6. タイトルタグとメタタグの最適化
検索エンジンのアルゴリズムにおいて、タイトルタグとメタタグは重要な要素です。AIツールは、最も効果的なタイトルやメタディスクリプションを提案し、検索結果においてクリック率を向上させることができます。これにより、検索結果での視認性が高まり、トラフィック増加につながります。
7. SNS活用の効率化
SNSはSEOと密接に関連しています。AIツールはSNSでのユーザーの反応を分析し、最も効果的な投稿時間やコンテンツ形式を提案します。これにより、SNS経由でのトラフィック増加やSEO評価の向上を図ることが可能です。
8. 被リンクリストの作成
被リンクはSEOの重要な要素ですが、効果的なリンク構築には時間がかかります。AIツールは信頼性の高いサイトを自動でリストアップし、被リンクの取得に向けたリスト作成を効率化します。これにより、効果的なリンク構築が短時間で実現でき、サイトの評価向上に貢献します。
9. 音声検索への最適化
音声検索の利用が増加している中、音声検索に特化したSEO対策も重要です。AIを使えば、音声検索でよく使われる自然な質問形式のキーワードを解析し、コンテンツを最適化することができます。これにより、音声検索でのトラフィック増加を図り、競合に先んじたSEO戦略を実現できます。
10. SEOに関する情報収集
SEOの世界は常に進化しており、アルゴリズムの変更や新しい技術についての情報収集は不可欠です。AIを使えば、最新のSEOトレンドやニュースを自動的に収集し、常に最新の情報に基づいた戦略を立てることができます。これにより、クライアントに常に最適なアドバイスを提供することが可能です。
まとめ
AIの活用は、SEO対策を行う上でもはや選択肢ではなく必須のツールとなっています。
私たちが日々取り組むSEO対策をより強化し、時間とリソースを最大限に活用するためには、AIの力を借りることが不可欠です。今回ご紹介した方法を活用することで、限られた人員でもSEO対策のパフォーマンスを飛躍的に向上させることが可能になります。
もちろん、AIはあくまでツールであり、最終的な成果を引き出すのは人間の判断ですが、上手にAIを使いこなすスキルを高める事で、より効果的なSEO戦略を実現できるはずです。
「生成AIを活用して、限られた予算と人員でSEO対策に取り組みたい!」という方は、お気軽にご相談下さい。
執筆・監修
近添真由
2011年に株式会社コクーンを創業。当時運営していた自社サービスでSEO対策に取り組んだところ、日本全国から問い合わせが殺到する状況を体験し、SEOの魅力に取りつかれる。2020年に全日本SEO協会の認定コンサルタント資格を取得し、それ以降はSEOコンサルタントとして企業のウェブ集客を支援している。