コンテンツSEOに必須!キーワードリサーチの基本ステップ(初級者向け)

本題のまえに

SEO対策にキーワードリサーチが重要だという事は分かったけれど、キーワードはどうやってリストアップすれば良いのか?いくつぐらい必要なのか?キーワード選定のためのツールはどうやって活用すれば良いのか?そのキーワードをどう運用するのか?

こんな疑問を感じていませんか?

私がSEO初心者の頃は上記のような疑問を感じていたし、キーワード選定の重要性についてもあまり理解できていませんでした。ですので、キーワードの選定は曖昧なまま、とりあえず手当たり次第に記事を書いてみたものの、思うように集客につなげる事ができずに悩んでいました。

でもその後、SEOについての知識を深めて行くうちに「キーワード選定はSEO対策の要だ!」と理解し、今ではキーワード選定が私の大好きな作業のひとつになっています。

前置きが長くなりましたが、この記事では私と同じように「キーワード選定って難しい!」と感じていらっしゃるSEO初級の方に向けてキーワード選定について詳しくご紹介します。

みなさんが、最適なキーワードリストを作るお手伝いができれば良いなと思います。

ステップ1:目的とユーザーの設定

キーワードリストを作成するための、最初のステップは「目的とターゲットを決める事」です。

何のためにSEO対策をするのか、その目的のためにどんなコンテンツが必要で、どんなユーザーを集めなければいけないのか。

そして、そのユーザーが知りたい事は何なのか?

こういった事を丁寧に考えて行きます。

SEO対策の目的

SEO対策の目的として、以下のようなものが挙げられます。

  • サイトへのアクセス(トラフィック)を増やしたい
  • 売り上げを伸ばしたい
  • 新規顧客を増やすために、問い合わせを増やしたい

例えば、ウェブサイトで広告収入を得たい場合は、サイトにアクセスを集める事が最重要課題になります。

アフィリエイトやECサイトの場合は、売り上げを伸ばす事が目的となるでしょう。

また、当社のようにサービスを提供していたり、BtoBの場合はまずは問い合わせ件数を増やす事がSEO対策の目的になります。

ユーザー(ターゲット)の設定

ユーザー(ターゲット)の設定も重要です。

ユーザー設定について考える時は、年齢や性別、居住エリアや仕事の内容、興味や関心などできるだけ具体的に落とし込むことが重要です。

マーケティング用語で「ペルソナ」と呼んだりもしますが、具体的な人物像に落とし込む事でキーワード選定の精度を上げて行きます。

以下の図は、私が実際に使っているペルソナシートになります。

ダウンロードできるようにしてありますので、良ければご活用ください。

検索意図のリストアップ

ペルソナ(ユーザー像)が固まったら、そのユーザーの検索意図について考えます。

検索意図とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンでユーザーが「何を知りたくてその検索ワード(クエリ)を入力したのか?」という検索の目的の事です。

検索意図はユーザーの「悩み・問題・欲求」などに分類できます。

なぜなら、人が検索する時には必ず何らかの「悩み・問題・欲求」があると考えられるからです。

例えば、学習塾がキーワード選定を行う際の検索意図について考えてみましょう。

  • 悩み:子供の成績が伸びない(子供の成績が伸びない理由を知りたい)
  • 問題:子供が受験を控えているのに、勉強をしない(どうすれば子供が受験勉強をするのかを知りたい)
  • 欲求:子供の成績を伸ばしたい(子供の成績を伸ばす方法を知りたい)

上記のようにして、「悩み・問題・欲求」ごとに検索意図をリストアップして行きます。

ここまでが、最初のステップです。

このステップで、SEO対策の目的とユーザーを明確にして検索意図をリストアップしていくと、これ以降のキーワード選定の精度がグッと高まります。

ちょっと面倒でも時間をかけて取り組んでみて下さい。

ポイント

検索意図について考える際に、「自分が売りたいものの強み」も含めて考えると精度が上がります。
上記の例で言うと、「中学受験専門塾」なのか「学校での勉強をフォローするための塾」なのかによって微妙に検索意図が異なるからです。

同じ「子供の成績が伸びない」という悩みでも、中学受験専門塾での集客だと「子供の成績が伸びない=希望校合格圏内に届かない」という意図です。

一方、学校での勉強をフォローするための塾の場合は「子供の成績が伸びない=学校のテストで点数が取れない」という意図がより強くなります。

ステップ2:キーワードのリストアップ

検索意図に基づいてリストアップする

ステップ1でリストアップした検索意図をもとに、ターゲットユーザーが使いそうなキーワードの候補を考えます。

例として、学校での勉強をフォローするための塾が、ユーザーの「子供の成績が伸びない」(子供の成績が伸びない理由を知りたい)という検索意図に応えるキーワードを選定してみます。

  • 成績 伸びない 小学生(高学年、6年生 etc)
  • 成績 伸びない 理由(なぜ、原因 etc)
  • 成績 伸ばしかた
  • 成績 伸ばす 親ができること
  • 成績 伸びる子 違い
  • 成績 伸ばす 食べ物
  • 成績 伸びる 環境(子供部屋、リビング etc)
  • 成績 伸びない ゲーム
  • 成績 塾 伸びる?

上記のように、「子供の成績が伸びない事に悩んでいる母親が検索しそうなキーワード」をリストアップして行きます。

この時に何となく頭の中で「こんな感じの記事が書けるかな?」と想像しながらリストアップして行くと、に過ぎたキーワードばかりになる事を回避できます。

また、関連語や類義語もリストに書き加えます。具体例としては以下のようなキーワードが挙げられます。

  • 苦手 克服 算数(国語、社会、理科 etc)
  • 子供 宿題 進んでやる
  • テスト 点数 上げるコツ
  • 学校 勉強 ついていけない

Google Search Consoleを使ってリストアップする

もしSEO対策を実施しようと思っているウェブサイトが、すでにGoogle Search Consoleに登録済みの場合は、そのデータを活用する事ができます。

サーチコンソールでは最大で500件までキーワードをリストアップできて、それらを一括でダウンロードできます。

ダウンロードしたデータをエクセルなどで開き、実際に検索されているキーワードから伸びしろのありそうなキーワードをリストアップします。

キーワードリサーチツールを使ってリストアップする

使用するツールとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • Googleキーワードプランナー
  • ラッコキーワード
  • Ubersuggest
  • Mozキーワードエクスプローラー
  • Ahrefs
  • SEMrush

生成AIを使ってリストアップする

最近は、ChatGPTやClaude、Google Geminiといった生成AIを活用してキーワードをリストアップする事も一般的になりつつあります。

生成AIを使ってキーワードをリストアップする場合、プロンプトと呼ばれる指示や質問文が重要です。

プロンプトの例としては以下のようなものがあります。

「●●」に関するブログ記事のアイデアをリストアップし、表で提示してください。
*キーワード
*関連キーワード(サジェスト)
*概要
*想定されるターゲット
*想定検索数

引用元:https://ai.yoshidumi.co.jp/navi/keyword

このプロンプトを生成AIに入力すると、以下のような情報を生成してくれます。(ここではChat GPT4.0を使用しました)

生成結果はcsv形式でダウンロードできるので、キーワードだけでなくブログの内容のアイデアとしても活用できます。

その他のリストアップ方法

他にもキーワードのリストアップ方法はあります。私が実際に行っている方法をいくつかご紹介します。

※「学習塾」のキーワードリサーチだと仮定します。

  • 雑誌やムックなどでトレンドキーワードをピックアップする(「探求学習プログラム」や「アクティブラーニング」など)
  • 過去のお問い合わせや、生徒(お客様)との会話からピックアップする

ステップ3:キーワードリサーチツールや生成AIを使ってキーワードを分類する

ここでいよいよキーワードリサーチツールの出番です。

リストアップしたキーワードを、実際の検索結果とリサーチツールで難易度順に分類して行きます。

キーワードリサーチツールでは、以下の項目を

  • 検索ボリューム:そのキーワードがどれくらい検索されているかを調査します。月間の検索回数が多いキーワードほど、多くのトラフィック(サイトへの集客が期待できます。
  • 競争率(難易度): そのキーワードでどれだけの競合サイトが存在するかを確認します。競争率が高いキーワードは上位表示が難しくなるため、バランスを取ることが重要です。
  • CPC(クリック単価): そのキーワードが広告でどれくらいの価値があるかを知るために、CPCも確認します。CPCが高いキーワードは、購買意欲の高いユーザーが検索している可能性があります。

生成AIには、以下のようなプロンプトを入力すると表で項目を示してくれます。(精度をある程度高めるためには、複数の生成AIを使う事をお勧めします。)

【キーワードリストを入力】

これらのキーワードについて以下の項目を表で提示してください。
*検索ボリューム
*難易度
*CPC

実際の結果例は以下の通りです。(ChatGPT4.0)

4. 競合分析

競合サイトがどのキーワードでランクインしているかを調べ、そのキーワードに対してどのようなコンテンツを作成しているのかを分析します。

  • 競合の上位表示キーワード:AhrefsやSEMrushを使って、競合サイトが上位表示しているキーワードを特定します。
  • 競合のコンテンツ内容を確認:上位表示している競合コンテンツの内容(文字数、見出し構成、使っているキーワード)を調査し、それ以上のコンテンツを作成するためのアイデアを得ます。

5. ロングテールキーワードの選定

キーワードの中には、検索ボリュームは低いけれど、特定のユーザー層にマッチする「ロングテールキーワード」を見つけます。ニッチキーワードやスモールキーワードと言ったりもします。

おもに1単語で検索するビッグキーワードとは異なり、ロングテールキーワードとは2語以上を組み合わせたキーワードのことです。

具体例としては、以下のような感じになります。

  • 学習塾=ビッグキーワード
  • 学習塾、中学受験専門、大阪市北区、人気=ロングテールキーワード

ロングテールキーワードはビッグキーワードと比較すると、上位表示されやすい利点があります。

  • ロングテールキーワードの特徴:検索クエリが具体的で長い(3~4語以上)ものが多い。
  • ニッチな検索意図をカバー:特定の質問やニーズに応じたキーワードを選びます。

6. キーワードの選定と優先順位付け

リサーチしたキーワードをもとに、どのキーワードを優先してコンテンツに盛り込むかを決めます。キーワードの選定基準は次の通りです。

  • 検索ボリュームが多く、競争率が適度なキーワード
  • ターゲットユーザーに最もマッチするキーワード
  • 購入意欲や行動を促すキーワード(商業的なキーワード)

優先順位をつけてリストを作成し、それに基づいてコンテンツ作成を進めます。

1か月6本のコンテンツ公開を目指すとしたら、年間72キーワードとなるので、優先順位と照らし合わせながら年間のコンテンツ公開スケジュールを作成する事をお勧めします。

7. キーワードリサーチ結果の定期的な見直し

SEO環境は常に変化するため、定期的にキーワードリサーチを見直し、トレンドや競争状況の変化に対応します。

  • 定期的なリサーチの実施:3~6ヶ月ごとにキーワードリサーチを行い、リストをアップデートします。
  • 新たなトレンドの把握Googleトレンドなどを使い、季節性や流行に合わせたキーワードを随時追加していきます。

この一連のステップを踏むことで、SEO戦略に最適なキーワードを見つけ、ターゲットユーザーに効果的にアプローチするコンテンツを作成できます。

キーワードリサーチに使えるツールリスト

この記事でご紹介したツールをまとめてご紹介します。

キーワードリサーチツール

生成AI

さいごに

この記事では、SEO対策のためのキーワードリサーチの手順を紹介しました。

SEO初級者にとって、キーワードの選定は決して容易ではありません。また、選んだキーワードが正しいのかそうでないのかの判断もしづらく、霧の中を手探りで歩くような感覚になる事もあると思います。

でも、SEO対策の目的を明確にし、ターゲットユーザーとその検索意図を理解することから始めて、リサーチツールや生成AIを活用して関連キーワードをリストアップし、競合分析やロングテールキーワードの選定を行うという手順を踏んで行けば、しっかりとしたキーワードリストが作成できます。

また、キーワードの選定を「単なるSEO対策」と捉えるのではなく、自社の強みや自社を端的に表すキーワードは何なのか?どんな人が自社のサービスを使えばハッピーになるのか?などを考えながら進めて行く事で、自社のサービスや商品と向き合う良い機会にもなります。

SEO対策を進めて行く中で、定期的なキーワードの見直しも忘れずに行ってください。

とは言え、なかなか難易度が高いのがキーワード選定です。

「一緒にキーワードリストの作成を手伝って欲しい!」という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

皆様のSEO対策の成功をお祈りしています。

執筆・監修

近添真由

2011年に株式会社コクーンを創業。当時運営していた自社サービスでSEO対策に取り組んだところ、日本全国から問い合わせが殺到する状況を体験し、SEOの魅力に取りつかれる。2020年に全日本SEO協会の認定コンサルタント資格を取得し、それ以降はSEOコンサルタントとして企業のウェブ集客を支援している。

全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント